「VVFとVVR、何が違う?」「CVを使うのはどんな時?」——住宅・店舗の屋内配線で必ずぶつかる疑問です。3種は名前こそ似ていますが、絶縁材の種類・許容温度・断面の形・適用箇所がはっきり分かれており、選定を誤ると過熱・絶縁劣化・最悪は火災につながります。
VVF・VVR・CV は、住宅の分岐回路から店舗の幹線まで用途がはっきり分かれています。本記事では、現場で迷わないための使い分け早見表と、JIS規格・許容電流・価格差を一枚にまとめ、断面構造をSVG図解で可視化しました。
3種のケーブル一覧(早見表)
冒頭サマリーをもう一歩深掘りしたスペック早見表です。詳細は各章で掘り下げますが、現場で「どれを使うか」を判断するときの出発点になります。
| ケーブル | 正式名 | 絶縁体 | シース | 形状 | 許容温度 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| VVF | 600V Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat-type | ビニル(PVC) | ビニル(PVC) | 平形 | 60℃ | 住宅の分岐回路 |
| VVR | 600V Vinyl insulated Vinyl sheathed Round-type | ビニル(PVC) | ビニル(PVC) | 丸形 | 60℃ | 露出配線・引込 |
| CV | Cross-linked polyethylene insulated Vinyl sheathed | 架橋PE(XLPE) | ビニル(PVC) | 丸形 | 90℃ | 幹線・大容量 |
VVF(600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形)
VVFは住宅の分岐回路でよく使われるケーブルです(筆者の見解)。「Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat-type」の略で、絶縁体・シースともにビニル(PVC)、断面は平形。心線が平行に並ぶのが特徴です。
構造(平形・心線平行配置)
PVC絶縁の心線(黒・白・赤など)が平面に並び、その上から共通のPVCシースで覆っています。介在物がないシンプルな構造で、剥ぎ取りも容易。VVFストリッパー1本で素早く剥けるため、第二種電気工事士の技能試験でも標準教材として使われます。
用途(屋内配線・分岐回路)
住宅・店舗の低圧屋内配線、特にコンセント・照明への分岐回路(15〜20A)が中心です。隠蔽配線(壁内)・天井裏配線で広く使われ、露出配線でも問題なく使えます。
太さラインナップ(1.6/2.0/2.6mm × 2c/3c、メーカーによっては4c)
住宅でよく使う組み合わせは次のとおりです(筆者の見解。カタログには4心もあります)。
| 太さ | 2心(2C) | 3心(3C) | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 1.6mm | ○ | ○ | 照明・15Aコンセント |
| 2.0mm | ○ | ○ | 20Aコンセント・エアコン |
| 2.6mm | ○ | ○ | 主幹・大容量分岐 |
許容電流の詳細は電線の許容電流ガイドで各サイズを早見表化しています。
メリット・デメリット
メリット
- 剥ぎ取りやすく施工スピードが速い
- 価格は比較的安価な部類(筆者の見解。実勢はサイズ・時期・販売店で変動)
- ステープル・サドルでの固定が容易(平形ゆえ)
デメリット
- 単線サイズ(mm規格)が中心で、大電流幹線向けの太径ラインナップが限られる
- 屋外露出では日射による温度上昇と機械的損傷への配慮が必要(シースはビニルで耐候性あり・矢崎資料)
- 平形ゆえに電線管内の通線抵抗が大きく、丸形ケーブルより取り回しに難がある
VVR(600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形)
VVRはRound-type(丸形)のVV系ケーブルです。絶縁体・シースともPVCでVVFと同じ材料を使いますが、断面が円形で機械的強度が高いのが特徴です。
構造(丸形・心線が中心配置)
心線2〜4本を中心にまとめ、介在物(材質はメーカー仕様による)で隙間を埋めて円形を保ちます。その上をPVCシースで覆う構造。介在物のおかげで外圧に強く、曲げに対しても心線が偏りにくくなっています。
用途(屋外配管・露出配線)
VVFが平形で見栄えが悪いのに対し、VVRは丸形で配管・配線ダクトを通しやすく、引込線・露出配線でも整った見た目になります。引込柱から建物への引込線、ベランダ露出配線、屋外コンセント回路などが定番用途です。
VVFとの違い・選定基準
許容電流はVVFとほぼ同等(同じビニル絶縁で60℃許容)ですが、形状と機械的強度で使い分けます。
| 観点 | VVF | VVR |
|---|---|---|
| 形状 | 平形 | 丸形 |
| 介在物 | なし | あり |
| 屋外露出 | 可(ケーブル工事・製品仕様の確認が前提) | 可(ケーブル工事・製品仕様の確認が前提) |
| 配管通線 | 抵抗あり | スムーズ |
| 剥ぎ取り | 容易 | やや手間 |
| 価格 | 安い | やや高い |
価格差
同じ太さ・心数で比べると、介在物・丸形成形のコストが乗るぶんVVRのほうが高くなる傾向があります。具体的な価格比はメーカー・サイズ・心数・時期・販売店で大きく変わるため、本記事では倍率を示しません。実際の見積りは同一メーカー・同一型式で比較してください。
CV(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)
本記事で扱うCVは JIS C 3605 の600V CVケーブルです(高圧引込に使う6.6kV CVは JIS C 3606 の別品種で、構造・試験・施工方法が異なります)。CVはCross-linked polyethylene(架橋ポリエチレン、XLPE)絶縁の電力ケーブルで、低圧幹線を中心に幅広く使われます。VV系とは絶縁材が根本的に異なるため、許容温度や許容電流の領域が大きく変わります。
構造(XLPE絶縁)
ポリエチレン分子鎖を化学的に架橋(つなぎ合わせ)して耐熱性を上げたXLPEで心線を絶縁し、その上をPVCシースで覆います。架橋によりポリエチレンが熱で溶けにくくなるのがポイントで、これが許容温度90℃の根拠になっています。
用途(高圧/低圧幹線・大容量回路)
- 低圧幹線(受電盤〜分電盤)— 数十〜数百sqの大径CV(サイズは負荷計算で決まる)
- 動力回路(三相200V・400V) — 工場・店舗の大型機器
- 高圧引込線(6.6kV) — 遮へい層などを持つ別品種の高圧CV(JIS C 3606:2022)
- 太陽光発電の接続箱以降の集電・連系配線(直流側はPV専用ケーブル、交流側はCV)
許容温度(90℃)の意義
VVF/VVRが許容温度60℃なのに対し、CVは導体温度90℃まで連続使用できる仕様です。30℃の温度マージンの差が許容電流の差になり、同じ導体断面積でもCVのほうが大きな電流を流せます。ただし倍率は一律ではありません——許容電流は心数・布設方法・周囲温度・条数で変わるため、実際の値は同じ布設条件どうしでメーカーの許容電流表を比較してください。
| 太さ(より線) | VVR(2c)許容電流 | CV(2c)許容電流 |
|---|---|---|
| 8sq | 約42A | 約65A |
| 14sq | 約59A | 約91A |
| 22sq | 約78A | 約120A |
| 38sq | 約110A | 約170A |
※電線販売店(極東建設)がメーカー公表値を集計した参考表による。VVR列は暗渠布設・周囲温度40℃、CV列は1条布設・周囲温度40℃(フジクラ・ダイヤケーブル カタログでは 14sq 2心 91A)で、布設条件が異なるため、2列を同じ条件の比較として読まないでください。設計時は必ずメーカーの許容電流表で布設条件・周囲温度を揃えて確認してください。
VVF/VVRより許容電流が大きい理由
絶縁体の最高使用温度が60℃→90℃に上がることで、銅導体の許容発熱量が増えます。発熱は I²R(電流の2乗 × 抵抗)に比例するため、温度マージンが30℃広がるとそのぶん大きな電流を流せる、という単純明快な物理です。
CVT(CVトリプレックス)も併記
CVケーブルの兄弟分として現場でよく見るのが**CVT(トリプレックス)**です。
CVTは単心CV(CV-1c)を3本撚り合わせた構造で、共通シースを持ちません。これにより以下の利点があります。
- 許容電流が大きい傾向(放熱性が良いため)
- 軽い傾向(介在物なし)
※差の大きさは導体サイズ・メーカー・布設条件で変わります。具体値は採用製品のカタログで比較してください。
- 曲げやすく端末処理が容易
- 3心一体のCV-3cより施工性が高い
3相動力幹線ではCVT(単心3本を撚り合わせたトリプレックス形)がよく使われます。CV-3cとの使い分けは、布設スペース・許容電流・施工性・設計方針によります。
| 比較 | CV-3c | CVT |
|---|---|---|
| 構造 | 絶縁線心3本+介在+共通シース | 単心CV3本撚り合わせ(共通シースなし) |
| 重量 | 重い | 軽い傾向 |
| 許容電流 | 標準 | 大きい傾向 |
| 端末処理 | 介在物処理が必要 | 簡単 |
| 価格 | メーカー・サイズ・時期で変動 | 同左 |
【完全早見表】3種の比較
ここまでの内容を1枚の表に集約しました。現場・図面検討時の「答え一発」用にどうぞ。
| 項目 | VVF | VVR | CV |
|---|---|---|---|
| 正式名(英) | Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat | Vinyl insulated Vinyl sheathed Round | Cross-linked PE insulated Vinyl sheathed |
| 絶縁体 | ビニル(PVC) | ビニル(PVC) | 架橋PE(XLPE) |
| シース | ビニル(PVC) | ビニル(PVC) | ビニル(PVC) |
| 断面形状 | 平形 | 丸形 | 丸形 |
| 介在物 | なし | あり | あり(3c以上) |
| 許容温度 | 60℃ | 60℃ | 90℃ |
| 1.6mm 2c許容電流 | 18A | 18A | — |
| 2.0mm 2c許容電流 | 23A | 23A | — |
| 14sq 2c許容電流(参考・条件は本文表参照) | — | 59A(暗渠40℃) | 91A(1条・40℃) |
| サイズ展開 | 1.6〜2.6mm | 1.6mm〜325sq | 2sq〜(心数・メーカーで上限が異なる) |
| 価格(傾向) | 安い | やや高い | 高い |
| 屋内分岐 | ◎ | ○ | △(過剰) |
| 屋外露出 | △(要件確認) | △(要件確認) | △(要件確認・端末の絶縁体露出部は紫外線保護) |
| 動力幹線 | ✕ | △ | ◎ |
| JIS規格 | C 3342 | C 3342 | C 3605 |
※VVF/VVRのmm表記の許容電流(18A・23A)は住宅配線で一般に用いられる代表値です。布設方法・心数・周囲温度・同一管内の本数によって値は変わります。設計・施工では、採用するケーブルのメーカー許容電流表または内線規程で、実際の布設条件に対応する値を確認してください。
VVFストリッパー P-958
第二種電気工事士技能試験の時短に役立つVVFストリッパー(受験案内の指定工具ではなく追加工具)。
- 1.6mm・2.0mm の心線剥き対応
- 3心線まで一度に剥ける
※価格は変動します。クリック時点のショップ表示価格をご確認ください。
用途別の選び方(住宅/店舗/工場/屋外引込)
実際の現場での典型的な選び方を業態別に整理します。
住宅(戸建て・マンション)
- 分岐回路:VVF 1.6mm-2c / 2.0mm-2c が代表的(筆者の見解)
- エアコン200V専用:機器の据付説明書指定のサイズ(VVF 2.0mm-2c 指定の例が多い・筆者の見解)
- 主幹(分電盤直前):契約容量・引込方式・需要率・電圧降下・幹線保護をふまえて設計者・施工者が選定します(引込・計器まわりは電力会社の供給条件・工事区分の確認も必要)。ケーブル種別・サイズを一律に示せる箇所ではありません
- 引込口配線:VVR や CV が使われるが、太さ・種類は契約容量・電圧降下・一般送配電事業者の仕様で決まる
戸建てでは屋内の分岐配線にVVF、引込部分にVVR/CVという組み合わせになります(実際の構成は設計・電力会社の仕様によります)。
店舗・テナント
- 照明・コンセント:VVF 1.6/2.0mm
- 厨房動力(三相200V):CVT 14〜38sq
- 空調室外機回路:VVF 2.0mm or CV 5.5sq
- 看板・サイン回路:VVR or CV(屋外露出のため)
厨房・空調が大容量化しているため、動力幹線にはCVTがよく選ばれます(筆者の見解)。
工場・大型施設
- 受変電二次側〜主分電盤:CV/CVT(サイズは負荷・電圧降下・布設条件で設計)
- 動力幹線:CVT(サイズは負荷・電圧降下・布設条件で設計)
- 照明・コンセント分岐:VVF(既設)またはケーブルラック上のCV小径
工場では幹線〜分岐の主要部分をCV/CVTで設計することが多い、というのが筆者の見解です。
屋外引込・架空配線
- 架空引込(電力会社→需要家):DV線(引込用ビニル絶縁電線)など、一般送配電事業者の仕様による
- 建物側引込口〜分電盤:CV(耐候性・許容電流の余裕)
- 太陽光発電のストリング配線:PV-CQ/PV-CC等の太陽光発電用ケーブル(耐候性XLPE系)
屋外露出の耐候性は、矢崎の技術資料では VVF・VVR(絶縁体・シースともビニル)は○、CV はシースが○で絶縁体(架橋ポリエチレン)が×とされています。CV はシースで紫外線が遮断されるため問題ありませんが、端末で絶縁体が露出する部分には黒色テープ等の紫外線保護が必要です(矢崎「電線・ケーブルの耐候性について」)。屋外でどれを選ぶかは耐候性の序列ではなく、許容電流・機械的保護・日射による温度上昇・配管の有無で決めます。
JIS規格対応(JIS C 3342 / JIS C 3605)
3種のケーブルは以下のJIS規格で製造・性能・試験方法が定められています。
JIS C 3342(VVF/VVR等)
正式名「600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル」。VVF(平形)・VVR(丸形)等が対象。最新版はJIS C 3342:2012(2012年改訂)が現行で、心線色・絶縁厚さ・シース厚さ・耐電圧・絶縁抵抗などを規定しています。
JIS C 3605(CVケーブル)
正式名「600Vポリエチレンケーブル」。CV・CE(架橋PE絶縁+ポリエチレンシース)・CVT・CET 等が対象。最新版はJIS C 3605:2022(2022年改訂)。架橋PE絶縁の最高許容温度90℃、PVCシースの仕様等が規定されています。
関連法令
- 電気設備技術基準の解釈 第146条(低圧配線に使用する電線等/電線の許容電流)
- 電気設備技術基準の解釈 第148条(低圧幹線の施設)
- 電気設備技術基準の解釈 第149条(低圧分岐回路等の施設)
- 内線規程 JEAC 8001-2022(第14版)(電線の選定・施工基準)
- 電気用品安全法(PSE):一般的なサイズの屋内配線用ケーブルはPSE対象品目として流通(対象範囲は材質・定格電圧・導体断面積・心数で限定される)
よくある間違いと現場の選定ミス
代表的なNG例をまとめます。新人〜2年目の方は特に要注意。
1. 「VVFはどこでも使える」と思い込む
VVFは屋外露出が禁止されているわけではありません(耐候性はビニルシースで確保)。ただし屋外は日射による温度上昇・機械的損傷・端末防水への配慮が要り、「どこでも同じ施工でよい」わけではありません。
2. VVF 2.0mmの許容電流をIVと混同
IV単線2.0mmは35Aですが、VVF 2.0mm-2c は23A。同じ太さでも形態(放熱条件)が違うと許容電流が変わります。加えてIVの値は周囲温度30℃・がいし引き基準、VVFのメーカー公表値は気中40℃基準と前提温度も異なるため、ブレーカー選定で誤らないように。
3. 「CVは過剰」と思って小径回路で避ける
確かに住宅の分岐回路にCVは過剰ですが、高温環境や許容電流に余裕が要る回路ではCVが安全側です。価格差より熱による劣化リスクを優先しましょう。
4. CVT vs CV-3c の選定ミス
3相動力幹線でCV-3cを使うとCVTより許容電流が小さく、ケーブルラックの占有率も増えます。筆者はCVTを基本に考えます。
5. 介在物処理を忘れる
VVR・CV-3cは介在物(紙・ジュート等)が入っているため、端末処理時に介在物の切り戻しが必要。VVFと同じ感覚で剥くと端末処理が雑になります。詳細はVVFケーブルの剥ぎ方で剥ぎ取りの基本を確認してください。
関連工具
3種のケーブルを扱うのに必要な工具を整理しました。
VVFストリッパー(VVF/EM-EEF用)
VVFはストリッパー1本で素早く剥けます。HOZAN P-958の公式適応電線は**VVF/EM-EEF の1.6・2.0mm(2心・3心)**で、VVRは適応外です。丸形のVVRは細径でも電工ナイフか、VVR対応を明記した専用工具を使ってください。詳細はVVFストリッパー比較で各機種を比較しています。
電工ナイフ(CV・大径ケーブル用)
VVR・CVはVVFストリッパーでは剥けません。電工ナイフでシースを縦割りして心線を取り出すのが基本作業です。
絶縁抵抗計(メガー)
CVもVVFも、施工後は絶縁抵抗測定で絶縁性能を確認します。電技省令第58条/電技解釈第14条の判定基準は絶縁抵抗計の使い方で詳しく解説しています。
よくある質問
- VVFとVVR、住宅の屋内配線ならどちらを選ぶべき?
- 屋内の隠蔽配線・分岐回路ならVVFが標準です。価格が安く、剥ぎ取り・施工性も上回ります。VVRは屋外露出・引込・配管通線がメインのため、用途が分かれていると考えてください。
- CVケーブルは住宅の分岐回路に使ってもよい?
- 技術的には問題なく使えますが、一般にVVFより高価で、剥ぎ取りも電工ナイフが必要で施工性が落ちるため過剰になりがちです(価格比は本記事では示しません)。CVは幹線・動力回路・屋外引込など、許容電流や耐候性が必要な箇所に使うのが一般的です。
- VVFの許容電流が同じ太さのIV単線より小さいのはなぜ?
- VVFは2〜3心が同一シース内に収まっており、心線同士の発熱が逃げにくいためです。例えば2.0mmで比べるとIV単線35A、VVF 2c 23A。形態の違いが放熱性に直結し、許容電流に反映されます。なお前提温度も異なり、IVは周囲温度30℃・がいし引き基準、VVFのメーカー公表値は気中40℃基準です。詳細は[電線の許容電流ガイド](/articles/kyoyou-denryu-guide/)を参照してください。
- CVが90℃許容なのはどういう意味?60℃のVVFと何が変わる?
- CVの絶縁体(架橋ポリエチレン)は90℃まで連続使用してもビニル絶縁ほどの熱劣化が起きません。これにより、同じ導体断面積でもより大きな電流を流せます。例えば14sq 2心ならVVR約59A(暗渠布設・40℃)・CV約91A(1条・40℃)と参考表では大きく違いますが、前提条件が異なるため単純比較はできません。許容温度の差が、そのまま許容電流の差につながります。
- VVRとCVの価格差はどれくらい?
- 一般にCVのほうが高くなる傾向ですが、**具体的な価格比はメーカー・サイズ・心数・時期・販売店で大きく変わる**ため、本記事では倍率を示しません。ただしCVは許容電流が大きいぶん、同等の通電容量で比較すると差は縮まり、長距離幹線では細い径で済んでトータルコストが逆転することもあります。実際の見積りは同一条件で比較してください。
- JIS C 3342とJIS C 3605の違いは?
- JIS C 3342は『600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル』の規格でVVF(平形)・VVR(丸形)が対象、現行は2012年版。JIS C 3605は『600Vポリエチレンケーブル』の規格でCV・CVT・CE・CETが対象、現行は2022年版です。絶縁体の違い(PVC vs XLPE)が規格分けの根拠になっています。
- 屋外引込にVVFを使ったらダメ?
- 一律にダメではありません。VVFのシースはビニルで耐候性があり(矢崎技術資料)、屋側・屋外配線はケーブル工事として施設できます。ただし引込線は太さ・支持方法・一般送配電事業者の仕様で決まるため、VVFを引込線にそのまま使う場面はまれです。電力会社側の架空引込線にはDV線などが使われます。
まとめ:3種は「絶縁材」と「形」で選ぶ
最後に3行で全体像をまとめます。
- VVF:ビニル絶縁・平形・60℃。屋内分岐回路の定番で価格・施工性に優れる
- VVR:ビニル絶縁・丸形・60℃。引込口配線・配管通線でよく使われる(筆者の見解)
- CV / CVT:XLPE絶縁・丸形・90℃。幹線・動力・大容量で許容電流が大きい
判断の入口は「許容温度(60℃ or 90℃)」と「形(平形 or 丸形)」の2軸です。実際の選定はこれに負荷電流・布設条件・電圧降下・保護器の定格を加えて決めます。
許容電流の具体的な数値は電線の許容電流ガイド、剥ぎ取りの実務はVVFケーブルの剥ぎ方、ストリッパー選定はVVFストリッパー比較で深掘りできます。