「VVFストリッパーって結局どれを買えばいいの?」「技能試験用と現場用は同じでいい?」
そんな疑問に、第一種電気工事士として現場で5年以上VVFストリッパーを使ってきた筆者が、価格・対応サイズ・耐久性を軸にHOZAN P-958を主軸として、選び方と代替候補をまとめました。技能試験対策から日々の現場作業まで、一本選ぶならどれかが3分でわかります。
そもそもVVFストリッパーとは?電工ナイフとの違い
VVFストリッパーは、VVFケーブル(屋内配線で最も使われる平形ケーブル)の外装と心線被覆を一度に剥ぐ専用工具です。プライヤー型のグリップを握るだけで、刃の段差が外装と被覆をきれいに剥いてくれます。
電工ナイフとの違いを整理すると次のとおりです。
| 項目 | VVFストリッパー | 電工ナイフ |
|---|---|---|
| 対応ケーブル | VVF 1.6mm・2.0mm が中心 | ほぼ全種類(CV、CVT、IV含む) |
| 作業速度 | 速い(握るだけ) | 慣れが必要 |
| 心線を傷つけるリスク | 低い | やや高い |
| 中間剥ぎ | 不可 | 可能 |
| 価格帯 | 3,000〜6,000円 | 1,500〜3,000円 |
VVFストリッパーが得意なのは「端末処理を素早く・確実に」の一点です。一方、5.5sq以上の太い線、CV/CVT/IV、配管内のケーブル中間部を剥く作業はストリッパーでは対応できないため、電工ナイフが必須になります。詳しい使い分けはVVFケーブルの剥ぎ方 5つのテクニックで解説しています。
VVFストリッパーは現状 HOZAN が中心
正直にお伝えしておくと、「VVFストリッパー」という呼び方で日本市場に広く流通している主力モデルは、HOZAN(ホーザン)P-958 が中心です。同じ用途の工具を、MCC(松阪鉄工所)は「VA線ストリッパ」(例:VS-4A)、ベッセル(VESSEL)は「VA線ストリッパー」(例:3200VA-1)という呼称で展開しており、メーカーによって商品名がやや異なります(2026年6月時点。各社カタログ参照)。
本記事では HOZAN P-958 を主軸に整理しつつ、同じVVF外装+心線被覆を剥く用途で実用的な MCC・ベッセル等の「VA線ストリッパ」も比較対象として取り上げます。
HOZAN VVFストリッパー 比較表
HOZAN の主要モデルを並べました。価格は2026年6月時点の参考値で、実勢価格は変動します。
| 製品 | 対応サイズ | 重量 | 参考価格 | 強み | 気になる点 |
|---|---|---|---|---|---|
| HOZAN P-958 | VVF 1.6mm/2.0mm(2心・3心) | 約210g | 4,000〜5,000円 | 技能試験の定番。刃が4段で迷わない | 使用頻度が高い現場では刃やバネが摩耗し、数年単位で買い替える人もいる |
| HOZAN P-957(旧モデル) | VVF 1.6mm/2.0mm(2心・3心) | 約210g | 中古のみ | P-958の前世代モデル | 2015年に在庫終了。新品入手はほぼ不可(後継はP-958) |
| ジェフコム DENSAN「エコエフリッパー」 | VVF/EM-EEF 1.6mm/2.0mm(2心・3心) | 製品により異なる | 約3,000〜16,000円(型番により幅あり) | ホームセンター流通あり | 流通モデルが切り替わるため購入時に型番要確認 |
※価格は2026年6月時点の参考価格、実勢価格は変動します。
いずれもVVF 1.6mm・2.0mmの2心/3心が剥ける点では共通しています。違いはグリップ形状、刃の精度、替刃の入手性、そして実勢価格です。
迷ったらコレ
- 試験対策で1本だけ買う人 → HOZAN P-958(DK-28 等の工具セットにも標準で含まれる)
- 現場で使い続けたい人 → HOZAN P-958(情報・替えがききやすく、現場でも使い続けている人が多い)
- 店頭で見比べたい人 → ホームセンターでジェフコム DENSAN「エコエフリッパー」も併せて確認
HOZAN P-958を主軸に推す理由
筆者が現場で5年以上メインで使ってきたのが、HOZAN(ホーザン)の P-958 です。技能試験の工具セット DK-28・DK-29 にも標準で含まれており、筆者が知る限り業界での流通量が多いモデルの一つです。
P-958 を主軸に推す理由は4つあります。
- 刃が4段に切られている(1.6×2c、1.6×3c、2.0×2c、2.0×3c)ので、ケーブルを当てる位置が一目でわかる
- シース剥ぎと心線被覆剥ぎが1工程で済むので、技能試験の時間短縮効果が大きい
- 流通量が多く替刃や代替品の入手が容易で、メーカーサポートも安定している
- 重量約210gで、長時間握っても疲れにくいバランス
VVFストリッパー P-958
第二種電気工事士技能試験の時間短縮に必須のVVFストリッパー。
- 1.6mm・2.0mm の心線剥き対応
- 3心線まで一度に剥ける
※価格は変動します。クリック時点のショップ表示価格をご確認ください。

刃の4段構造(1.6×2c / 1.6×3c / 2.0×2c / 2.0×3c)で使い分けます。
- ⭕ ケーブルサイズに合わせた段に挟む
- ⭕ 段が深くなるほど大径ケーブル対応
- ✕ 5.5sq以上、CV/CVT/IVは非対応
技能試験対策で買った P-958 を、そのまま現場でも長く使い続けているプロも多くいます。使用頻度や扱い方で寿命は変わりますが、「試験→現場」と無理なく持ち越せる安定した選択肢です。
のの字曲げのコツ(4ステップ)
技能試験で必ず登場する「のの字曲げ」。VVFストリッパーで剥いた銅線をペンチで丸めるまでの流れを4コマで示します。
同用途の選択肢:他社の「VA線ストリッパ」
HOZAN 以外にも、VVFケーブルの外装+心線被覆を剥く用途で使える「VA線ストリッパ」を出しているメーカーがあります。VVF(=VAケーブル)対応である点は同じで、メーカーによって呼び方が違うだけです。
代表的な国産メーカーの例:
- MCC 松阪鉄工所「VS-4A」 ─ VVF 1.6/2.0mm の2心・3心すべて対応、両面目盛で左利きでも使いやすいのが特徴。
- ベッセル「3200VA-1」 ─ VVF/EM-EEF 1.6/2.0mm の2心・3心に対応。本体重量約370gで P-958 より重め、刃深さ5段階調整。
- MARVEL(マーベル)、フジ矢、ロブテックス ─ 各社からVA線ストリッパや関連工具がリリースされている(流通モデルは時期により変動するため購入時に対応サイズを必ず確認)。
これらは「VVFを剥く」用途で互換的に使えますが、技能試験の標準工具として実績があり替刃や情報が手に入りやすいのは HOZAN P-958 というのが筆者の実感です。
VVFストリッパーの選び方4ポイント
製品選びで迷ったら、以下の4点を順にチェックしてください。
① 対応サイズ:VVF 1.6mm/2.0mm の2心・3心が剥けるか
これが最重要です。住宅配線の主流は VVF 1.6mm 2c・3c と VVF 2.0mm 2c・3c の4種類で、この4段がすべて剥ける製品なら現場の8割以上の作業をカバーできます。HOZAN P-958 は標準で対応しています。
5.5sq 以上の太線、CV/CVT/IV、エコケーブルなどはVVFストリッパーでは原則扱えないため、それらは電工ナイフで剥くことになります。
② グリップ:手の大きさに合うか
握ったときに指がグリップから余りすぎず、グリップが手に当たって痛くないかを確認します。可能であれば店頭で握ってみるのがベストです。通販で買う場合は、レビューでグリップ感の評価を確認してください。
③ 重量:長時間作業で疲れないか
200〜220g前後が標準ですが、1日100箇所剥く現場では10gの差でも疲労感が変わります。HOZAN P-958 は約210gで、長時間作業でも扱いやすいバランスです。
④ 替刃・代替品の入手性
刃は消耗品です。替刃が販売されているか、流通量が多く代替品をすぐ買えるかは長く使う上で重要です。HOZAN は流通量が多く、ホームセンターでも取り扱いがあるため安心感が高いです。
製品別 VVF対応マトリクス
各製品が VVF のどのサイズに対応しているか、左利き対応の有無も含めて一覧化しました。
| 製品 | 1.6mm-2c | 1.6mm-3c | 2.0mm-2c | 2.0mm-3c | 左利き対応 |
|---|---|---|---|---|---|
| HOZAN P-958 | ○ | ○ | ○ | ○ | △ |
| HOZAN P-957 | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
| MCC VS-4A | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| ベッセル 3200VA-1 | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
○=完全対応 △=制限あり ×=非対応
左利き対応の見分け方
左利きの方がストリッパーを選ぶときは「目盛りが両面に印字されているか」「グリップが対称設計か」の2点を確認してください。下図は右利き専用と両対応モデルの比較です。
ポイントは「目盛りが両面に印字されているか、グリップが対称設計か」。左利きの方は購入前にこの2点を販売ページの写真で必ず確認してください。
失敗しない買い方
VVFストリッパー選びでよくある落とし穴を3つだけ整理します。
① 激安ノーブランド品は避ける
Amazon等で1,500円以下のノーブランド品が見つかりますが、刃の精度が不十分で心線まで一緒に切ってしまう事例があります。心線に傷が入ると接続不良の原因になり、最悪のケースで発熱や漏電につながります。HOZANなどの国産大手ブランドから選ぶのが無難です。
② サイズ表記をよく確認する
「VVFストリッパー」と銘打っていても、対応が VVF 1.6mm 2心のみ、というモデルもあります。1.6mm/2.0mm の 2心・3心の4種類すべてに対応しているかを必ず確認してください。
③ 中古工具は刃の摩耗が見えにくい
メルカリなどで中古品が安く出ていますが、刃の摩耗具合は写真ではほぼ判別できません。摩耗した刃は心線を傷つけるので、迷わず新品を購入するのがおすすめです。前述のフロー図に「中古 or 型落ち入手」とある分岐は、あくまで「予算を極力抑えたい場合の選択肢例」であり、安全・確実性を優先するなら新品 P-958 の購入を推奨します。
VVFストリッパー単体ではなく工具セットでまとめて揃えたい場合は、第二種電気工事士 技能試験に必要な工具セットを参考にしてください。
FAQ
よくある質問
- VVFストリッパーがあれば電工ナイフは買わなくていいですか?
- 住宅配線の端末処理だけなら、VVFストリッパー1本でも作業の8割はカバーできます。ただし5.5sq以上の太いケーブル、CV/CVT/IVなどVVF以外のケーブル、配管内でのケーブル中間部の剥ぎ作業はVVFストリッパーでは対応できないため、電工ナイフが必須です。プロは両方持ちが基本です。
- 技能試験用と現場用は別々に買うべきですか?
- 1本で大丈夫です。HOZAN P-958は技能試験の標準工具で、そのまま現場でも長く使えます。技能試験のために買ったストリッパーを、現場の端末処理用としてそのまま使い続けているプロは多数います。使用頻度が高い場合は、刃の切れ味が落ちたタイミングで買い替える運用が現実的です。
- MCCやベッセルにVVFストリッパーはありますか?
- あります。ただしメーカーごとに呼称が違い、MCCは「VA線ストリッパ」(VS-4A など)、ベッセルは「VA線ストリッパー」(3200VA-1 など)という名称で展開しています。VVF=VAケーブルなので、これらでVVFを剥くこと自体は可能です。一方で「VVFストリッパー」という呼び方で技能試験の標準工具として広く流通しているのは HOZAN P-958 です。実績・情報量・替えのきく流通量の点では、迷うなら HOZAN P-958 が無難な選択です。
- VVFストリッパーの刃が切れなくなったらどうすればいい?
- HOZAN P-958は刃部分の精度が下がってきたら本体ごと買い替えるのが現実的です。VVFストリッパーは数千円の工具なので、研ぎや部品交換にコストをかけるより新品を買うほうが結果的に安くつきます。心線に傷が入る前に交換してください。
- VVFストリッパーは無資格でも使えますか?
- 工具自体は誰でも購入・所持できますが、実際の電気工事には電気工事士の資格が必要です。[電気工事士法](https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000139)の違反は罰則の対象となる場合があります。練習目的で使う際も、自宅の通電配線には触れず、練習用ケーブルで行ってください。
まとめ:用途別の最終提案
VVFストリッパー選びの結論を目的別に整理します。
- 第二種電気工事士の技能試験を受ける人 → HOZAN P-958(DK-28等の標準工具・試験〜現場まで使える)
- 試験対策で予算を抑えたい人 → HOZAN P-958 単体購入(DK-28 セットを買わずに、ペンチ・ドライバー類は手持ち品で代用)
- 現場で毎日使うプロ → HOZAN P-958 + 電工ナイフの2本セット
- より線・5.5sq以上・中間剥ぎが必要な人 → VVFストリッパーでは対応不可。電工ナイフを追加
- 迷ったら → HOZAN P-958。流通量が多く替えがききやすく、試験から現場までこれ1本で長く付き合えるという声が多い
補足:
- 「VVFストリッパー」という名称・技能試験の標準工具としては HOZAN P-958 が中心。MCC・ベッセル等の「VA線ストリッパ」も同じ用途で使える
- 激安ノーブランド品は心線を傷つけるリスクがあるため避けるのが無難
VVFストリッパーは「持っていれば作業が速くなる」工具です。1本選ぶなら HOZAN P-958、これに電工ナイフを足せば住宅配線のほとんどの作業をカバーできます。
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※本記事の情報は2026年6月時点のものです。価格・型番・流通状況は変動しますので、購入時に最新の販売ページをご確認ください。



