技能試験の工具選びで迷っていませんか?「セット買いがいいの?バラで揃えるべき?」という疑問は、受験生の定番の悩みです。
この記事では、第一種電気工事士の資格を持ち、屋内配線の現場経験もある筆者が、試験に必要な工具を徹底解説します。HOZANのセット品とバラ買いの比較も含め、コスパ最優先で情報をまとめました。
なお、本記事には商品紹介リンク(PR)が含まれます。記事内の商品カードからの購入で当サイトに紹介料が発生する場合がありますが、選定基準は読者の合格と現場での使いやすさを最優先にしています。
技能試験で使える工具の基本ルール
まず大前提として、技能試験には持ち込み工具の制限があります(出典:電気技術者試験センター 公式FAQ Q58)。
- 電動工具は使用不可(手工具のみOK)
- カッターナイフは使用を控えるよう試験センターより案内あり
- 工具の種類・数に制限はなし
- 試験中に工具の貸し借りは不可
つまり、当日までに自分の手に合った工具を揃えて練習しておくことが合格への近道です。試験本番で「使いにくい」と感じる工具では、時間内に仕上げるのが難しくなります。
必ず用意したい工具リスト
配置のコツ:
- ⭕ 利き手側に主力工具(VVFストリッパー・ペンチ)を配置
- ⭕ 中央は作業スペース、右奥にスケールを常駐させて毎回同じ動作で取れるように
- ⭕ ツールポーチは利き手と逆側に置き、出し入れの動線を最短化

① 電工ナイフまたはワイヤーストリッパー
VVFケーブルの外装・芯線被覆を剥くために必須です。試験では VVFストリッパー(ホーザン P-958) があると作業スピードが格段に上がるため、電工ナイフ単体ではなくストリッパー併用が現実的です。
P-958 は本体に 3種類のスケール(①表面 5cm刻み・②裏面 1cm刻み・③裏面 1mm刻み)が刻印されており、試験で指定される「外装100 mm 剥き」「心線20 mm 剥き」や、現場での VVF・IV 線の被覆剥ぎ寸法をストリッパー単体で計測できます。別途スケールを取り出す必要がなく、剥ぎ作業中そのまま長さ確認ができます。

② ペンチ
電線(心線)の切断と、ランプレセプタクル・露出形コンセントの結線で使う「の」の字(ワッカ)作りに使います。
③ ドライバー(プラス・マイナス)
端子台やコンセント・スイッチへの配線に必需品。プラスは No.2 サイズ、マイナスは幅 5.5mm が標準です。
④ ウォーターポンププライヤー
指定工具のひとつ。アウトレットボックスにねじなし電線管・PF管を接続する際のロックナットの締め付けに使います(候補問題 No.11・No.12 で出題)。
⑤ スケール(メジャー)
ケーブルの寸法出しに使います。
⑥ リングスリーブ用圧着工具
指定工具のひとつ。JIS C 9711 適合品(グリップが黄色) を選んでください。刻印(○・小・中、必要に応じて大)が規定どおり入らないと、公式の判断基準で重大欠陥扱いになります。なお第二種電気工事士の候補問題では「大」スリーブは出題されておらず、実際に必要となる刻印は ○・小・中 の3種類です(出典:HOZAN公式FAQ)。
あると便利な工具
電工用ハサミ
ケーブルの外装や絶縁被覆の細かい切り残し、VVRケーブル内の介在物(紙テープ・パラフィン)を整えるのに便利です。電動工具でなければ持ち込み・使用が認められています(電気技術者試験センター 公式FAQ Q58)。
ゴムハンマー(練習時のみ・小型)
試験本番では原則不要です。 アウトレットボックスを使う候補問題でも、本番では使用するノックアウト穴が抜打ち済みの状態で支給されます。ただし、練習用の教材セットではノックアウト穴が抜打ちされていない場合があり、練習時にハンマーで穴を打ち抜く必要があります。試験当日に持参する必要はありません。
作業マット(練習時用)
練習時に机や床を傷つけないために敷くマットです。試験会場での使用可否は公式に明記されていないため、本番で使う予定がある場合は事前に試験案内(受験案内)を確認するか、当日試験官の指示に従ってください。
HOZAN DK-28 vs DK-29 vs バラ買い【徹底比較】
HOZAN DK-28(技能試験の決定版・8点セット)
HOZANが第二種技能試験向けに組んだ定番セット。VVFストリッパー P-958 が入っているのがポイントで、試験時間の短縮に直結します。価格は税込 ¥22,220(※2026年4月時点の参考価格、実勢価格は変動します)。
含まれる工具(全8点):
- プラスドライバー ⊕No.2
- マイナスドライバー ⊖5.5
- ペンチ
- ウォーターポンププライヤー P-244
- 圧着工具 P-738(リングスリーブ ○(1.6×2本接続)・小・中対応のコンパクト型 / JIS C 9711適合)
- VVFストリッパー P-958
- 電工ナイフ Z-680
- 布尺 SB-67
付属品:
- ツールポーチ SB-66
- 第二種技能試験対策ハンドブック(候補問題13問解説付き)
筆者が受験生に最もよく勧めるのがこのセットです。VVFストリッパーが含まれている点で初受験者向けにバランスがよく、別途追加工具を選ぶ手間も省けます。
電気工事士技能試験 工具セット DK-28
第二種電気工事士技能試験向けの工具セット。VVFストリッパー P-958 込みの8点セット。
- 全8点セット(P-738圧着工具・P-958 VVFストリッパー・電工ナイフZ-680・布尺SB-67等)
- ツールポーチ SB-66 付属
- 第二種技能試験対策ハンドブック付属
- 初受験者がゼロから揃える場合に過不足のない構成
※価格は変動します。クリック時点のショップ表示価格をご確認ください。
HOZAN DK-29(基本工具のみ・7点セット)
DK-28からVVFストリッパー P-958 を外した廉価版です。価格は税込 ¥19,030 と DK-28 より約3,000円安くなります(※2026年4月時点の参考価格、実勢価格は変動します)。圧着工具は P-77(リングスリーブ ○・小・中・大の4サイズに対応した標準サイズの現行品 / JIS C 9711適合)が採用されています。第二種試験では「大」の出題はありませんが、第一種試験や現場作業まで見据えるなら長く使える1本です。
含まれる工具(全7点):
- 電工ドライバー ⊕No.2(D-332-100)
- マイナスドライバー ⊖5.5(D-655-100)
- ペンチ(P-43-175)
- ウォーターポンププライヤー(P-244)
- 圧着工具 P-77(リングスリーブ ○・小・中・大対応)
- 電工ナイフ Z-680
- 布尺 SB-67
付属品:
- ツールポーチ SB-66
- 第二種技能試験対策ハンドブック
DK-29を選ぶなら、VVFストリッパーは別途 P-958 をバラで買い足すのが基本パターンです。すでに P-958 を持っている方や、とにかく初期費用を抑えたい方向け。なお、電工ハサミは DK-28 / DK-29 どちらにも含まれていません。
DK-28 と DK-29 の違いまとめ
| 項目 | DK-28 | DK-29 |
|---|---|---|
| 点数 | 8点 | 7点 |
| 価格(税込) | ¥22,220 | ¥19,030 |
| VVFストリッパー P-958 | ○ あり | × なし |
| 圧着工具 | P-738 ○・小・中(第二種試験で必要な範囲を完全カバー) | P-77 ○・小・中・大(第二種試験では「大」は不要だが第一種・現場で活用可) |
| ツールポーチ SB-66 | ○ | ○ |
| ハンドブック | ○ | ○ |
バラ買いのメリット・デメリット
| 項目 | セット買い | バラ買い |
|---|---|---|
| コスト | △ やや割高感あり | ○ うまく選べば安くなる |
| 手間 | ○ すぐ揃う | △ 選定に時間がかかる |
| 品質 | ○ 大手ブランドは信頼性高い | △ 当たり外れあり |
| カスタマイズ | △ 選べない | ○ 好みに合わせられる |
筆者の結論:初受験ならDK-28を第一候補におすすめします。
バラ買いが向いているのは、すでに現場で使っている工具がある方や、特定の工具だけ気に入ったものに変えたい方です。ゼロから揃えるなら、筆者の経験ではセット品の方が時間・コスト・規格面でバランスが良いケースが多いです。
なお、第二種電気工事士の受験申込・試験日程は電気技術者試験センター公式サイトで必ず最新情報を確認してください。
工具選びで失敗しないための3つのポイント
1. JIS規格対応品を選ぶ
| 項目 | ⭕ JIS C 9711 対応品 | ✕ 規格外品 |
|---|---|---|
| 圧着マーク | ○・小・中(必要に応じて大)が正しく刻印される | 刻印が浅い・出ない・不揃い |
| ブランド | 圧着工具メーカー各社の本体仕様 | 無名・JIS非適合の汎用品 |
| 試験での扱い | 正しく評価される | 欠陥扱い → 一発不合格 |
| 現場での影響 | 接続部が確実に圧着され安全 | 発熱・絶縁劣化・火災事故の原因 |
2. 練習で使い込んでから試験に臨む
どんなに良い工具でも、慣れていなければ本番で実力が出ません。候補問題13問を最低1周は練習し、工具の扱いを体に覚えさせましょう。
3. 工具の持参忘れに注意
試験当日に工具を忘れると大変です。前日にチェックリストで確認する習慣をつけましょう。特に圧着工具は大型で忘れにくいですが、小型のスケールやドライバーは見落としがちです。
DK-28 が向いている人 / 向いていない人
向いている人
- 初めて第二種電気工事士の技能試験を受ける方
- VVFストリッパー(P-958)をまだ持っていない方
- 工具選びに時間をかけず、練習に集中したい方
向いていない人(DK-29 やバラ買いを検討してよい人)
- すでに P-958 を所有している方
- 一部の工具にこだわりがあり、自分でカスタマイズしたい現場経験者
- DK-29(圧着工具 P-77)でも第二種試験は十分対応可能で、初期費用を抑えたい方(※P-958を別途用意する前提)
まとめ
第二種電気工事士の技能試験で必要な工具をまとめると、以下のとおりです。
- 必ず用意したい:VVFストリッパー、リングスリーブ用圧着工具(JIS C 9711適合・グリップ黄色)、ペンチ、ドライバー(+/-)、ウォーターポンププライヤー、スケール、電工ナイフ
- あると便利:電工ハサミ(試験当日も持ち込み可)、ゴムハンマー・作業マット(いずれも練習時のみ・試験本番では原則不要)
- 工具セット選び:初受験はHOZAN DK-28(VVFストリッパー P-958 込み・8点・¥22,220)が最もコスパ良し。DK-29(VVFストリッパー無し・7点・¥19,030)は「すでに P-958 を持っている方」「初期費用を抑えたい方」向け(※価格はいずれも税込・2026年4月時点)
工具は一度揃えれば長く使えます。品質の良いものを選んで、練習に集中してください。
工具を揃えたら、次は試験対策の本番です。各問題の難易度・施工ポイント・所要時間は第二種電気工事士 候補問題13問の解説で全問解説しています。実技の前提となる複線図の書き方は複線図の書き方|5ステップで解説で5ステップに整理しました。
よくある質問
- HOZAN DK-28とDK-29、どちらを買えばいいですか?
- VVFストリッパーP-958を持っていない方はDK-28を選んでください。DK-28はP-958を含む8点セットで、試験時間の短縮に直結します。価格差は約3,000円ですが、別買いするとP-958単体で同じくらいかかるため、結局DK-28の方がコスパが良くなります。
- 電動工具を試験に持ち込めますか?
- 持ち込めません。技能試験では電動工具の使用は禁止されており、すべて手工具で作業する必要があります。電動ドライバーや電動ストリッパーも対象外です。
- 圧着工具のJIS規格対応品とは?
- JIS C 9711(屋内配線用電線接続工具)に適合した圧着工具のことで、グリップが黄色なのが目印です。圧着マークが規格通りに入るため、試験で正しく評価されます。HOZAN P-738・P-77、ロブテックス AK17A、ツノダ TP-R などがJIS適合の代表機種です。グリップが黄色でない汎用圧着工具は規格外品の可能性が高く、欠陥扱いになる恐れがあるため避けてください。
- 工具を中古で揃えても大丈夫ですか?
- 刃物(ペンチ・ニッパ・ナイフ)は新品を強く推奨します。中古は切れ味が落ちている可能性が高く、心線を傷つけるリスクがあります。圧着工具とドライバーは状態が良ければ中古でも実用上問題ありません。
- 試験当日に工具を忘れたらどうなりますか?
- 試験中の貸し借りは禁止されています。試験会場周辺で購入できる場合もありますが、確実ではないため、前日に必ずチェックリストで確認してください。特にスケールや小型のマイナスドライバーは見落としがちです。
- 電気工事士法の根拠はどこで確認できますか?
- 電気工事士法の本文は e-Gov 法令検索 (https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000139/) で確認できます。第3条で電気工事士でなければ自家用電気工作物・一般用電気工作物の工事に従事してはならないこと、第14条で違反者への罰則(3月以下の懲役又は3万円以下の罰金)が定められています。試験運営の最新情報は電気技術者試験センター (https://www.shiken.or.jp/) を必ずご参照ください。



